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『【コラム】“物流センターマテハン設備の保守点検とリニューアルの重要性”第4回(全5回)』

2018.11.28

こんにちは。

当社物流コンサルタントの馬場聡がBCPの観点から見たマテハン設備の保守とリニューアルの重要性を具体例を交えて、皆様にお伝えする連載の第4回です。

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7.先進的な大規模改修事例

計画的に保守・更新業務を実施することで、設備の寿命が延びることはいままで記載した通りである。

但し、設備の延命は可能だとしても、稼働年数が長くなるにつれて寿命限界は近づいてくる。

カー用品最大手である株式会社オートバックスセブン(本社東京都江東区)も、自社が持つマテハン設備の大規模改修について経営判断が求められた。

オートバックスセブンは国内外の約630店舗への商品供給のため、東西に大規模な物流センターを保有している。

東日本センター(千葉県市川市)は1996年、西日本センター(兵庫県三木市)は1997年に、基本的に同じ設備を導入する双子のセンターとして稼働を開始した。

両センターは稼働当初から定期的に保守業務を実施し、部分更新についても適正なタイミングで行ってきたため、大きなトラブルもなく稼働を続けていた。

稼働開始から約20年が近づいてきた頃から、機械系・制御系を中心に設備の老朽化に伴うトラブルの発生が多くなり、稼働率低下のリスクが高まっていた。

リスク解消のための方策として、物流拠点の統廃合案や近隣への移転案など様々な角度から検討を重ねた。

その結果、庫内作業者に継続して働いてもらいながら、改修コストを最小限に抑えられる、既存センター設備の大規模改修という結論に至った。

もちろん、改修期間中も店舗への商品供給を止めるわけにはいかないため、隣接敷地内にあるタイヤを中心に保管しているセンターに必要最低限のマテハン設備を導入し、応急センターとして短期間稼働させることになった。

設備改修は自社物件である西日本センターから実施することに決まった。

 

8.改修スケジュールと課題解決

改修期間は1年の中で比較的物量の少ない1月上旬~4月上旬の3ヶ月で実施することになり、具体的な改修スケジュールが策定された。(図表.4)

図表4

改修計画の一番のバリアーとなったのは、既存センターと応急センターの間で商品を往復移動させなければならないこと(③と⑥)であった。

「応急センター」と名前は付いているが、約11,000SKUを保管し、1日に60,000行を処理する本格的なセンターである。

当初、土・日の2日間での商品移動は困難かと思われたが、既存センターのコンベヤ設備の活用や事前商品移動の実施など多くのアイデアを駆使して何とか乗り切ることができた。

また、庫内の保管・ピッキング・仕分け作業についても、必要最低限の設備でのオペレーションを検討した。

基本的にハンディターミナルを使用した人海戦術によるピッキングとなるため、棚当てを細かなランク別に分類するなどの工夫に加えて、改修期間中は店舗の一部を東日本センターから出荷する体制を整え入出荷物量を抑制した。

既存センター内の設備改修も急ピッチで進められた。

3ヶ月と限られた期間であったため、改修項目はセンターを長期間停止しないと施工できないものを対象とし、保管ラックや空ダンボールを圧縮機まで搬送する破材コンベヤなどは流用とした。

もちろん、最新設備の導入による作業生産性の向上や、省エネコンベヤの使用による環境への配慮も実現させている。

また、東日本大震災時に東日本センターが稼働停止となってしまったことを教訓として、感震計の追加やコンベヤ架台の耐震補強工事も同時施工し、BCP対応を充実した。

【写真1】西日本応急センターの稼働風景① パレットラックに商品を保管し人海戦術でピッキング

写真1

 

【写真2】西日本応急センターの稼働風景② 出荷頻度の低い商品は75Lの段積みオリコンに集約して作業生産性を向上

写真2

【写真3】ハンディターミナルでの集品用に開発した専用台車

写真3

 

【写真4】中2階に設置した落下防止セーフティゲートで安心・安全作業

写真4

 

9.西日本から東日本も改修、画期的な改修手法を確立

・・・第5回(最終回)へつづく(12月5日にUP予定)



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