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『【コラム】“物流センターマテハン設備の保守点検とリニューアルの重要性”第2回(全5回)』

2018.11.14

こんにちは。

当社物流コンサルタントの馬場聡がBCPの観点から見たマテハン設備の保守とリニューアルの重要性を具体例を交えて、皆様にお伝えする連載の第2回です。

 第1回はこちら

 

3.マテハン設備の変遷と企業の対応

本題に入る前にここで少しマテハン設備の変遷について触れておきたい。

日本の高度経済成長による消費の拡大を受けて、1970年初頭から物流センターではより多くの製・商品を一度に保管・出荷できるマテハン設備の導入が進められた。

この時代では主に「小品種・多数量」に対応するため、単純作業の機械化や保管物量の増大を計って、仕分けソーターや自動倉庫などの大型設備が多く導入された。

1980年代に入ると、消費者の多様化する細かなニーズ「多品種・小ロット」に追随して、マテハン設備の高度化が進められた。

特にデジタル・ピッキングシステムの誕生は、従来の出荷伝票やピッキングリストを使用した出庫作業に対して、生産性や正確性を大幅に向上させ、必要なものを必要なタイミングで納品する、「JIT納品」の重要課題であったリードタイムの短縮にも大きく貢献した。

現在では、さらに細分化しているニーズに対応するためだけでなく、物流において新たな価値を付加するため、各物流機器メーカーが日進月歩で革新を進めている。

こうした消費者ニーズの変化や物流競争の激化・人手不足に伴い、企業は従来のマテハン設備だけでは競争を勝ち抜くことが厳しくなってきている。

物流拠点の統廃合や新センターの設立、導入設備の大幅更新を計画する事例が増えているのはこういった背景がある。

しかしながら、前述の計画を実行するには莫大な費用と時間が必要なのは言うまでもない。

可能な限り既存設備を活用して物流競争を勝ち抜いていきたいと考える現実的な選択肢もある。

ところが、その中核を担うマテハン設備が悲鳴をあげている例が少なくない。

 

4.マテハン設備の構成と更新サイクル

マテハン設備は大きく情報系、制御系、機械系の3要素で構成されている。(図表.1)

図1

情報系とは制御系に指図する情報をまとめる役割を担っており、主に上位システムからの指示をサーバーやパソコンなどを介して制御系へ伝達する。

インバーターやリミットスイッチなどと繋がる制御系は、具体的にどのように動かすのかを、情報系からの指示を変換して機械に伝える。

機械系は設備そのものであり、搬送コンベヤであればモーターやローラー、ベルトなどがこれにあたる。

機械系は制御系の指示により設備を作動させ、情報系がこの実績データを収集し上位システムにフィードバックする。

このように、情報系、制御系、機械系は三位一体の関係であるため、どれかが欠けたとしても設備を正常に動かすことはできない。

また、マテハン設備は家電や自動車などと同じく色々な部品で構成された集合体であるため、ある一定のサイクルでリニューアル(=更新)をする必要がある。(図表.2)

図2

情報系はさらに細かくハード系とソフト系に分類される。

パソコンなどのハード系は保証期間やOSのサポート対応の終了のタイミングに合わせて、導入後6~7年頃に更新時期を迎える。

ソフト系についてはニーズに対応した細かな更新が必要になるが、実際のところ機械系が変わらない限り大きく変えることはない。

事業ドメインの変更など経営規模の大きな分岐点を迎えた場合は、機械系の更新や追加が必要となる。

制御系は部品の生産中止や保証期間の終了に伴い、設備の導入から10年前後で更新を行うことになる。

この時期には制御系のトラブルが多くなることが想定されるため、できるだけ早期に更新を検討する必要がある(図表.2 トラブル発生率のバスタブ曲線を参照)。

機械系は導入から3年程度が経過してくると、油脂やバッテリーなどの消耗部品の経年劣化が発生するため、その都度、部品交換を繰り返していくことになる。

また、導入から10年を超えてくると、消耗部品だけでなく機械そのもののトラブルも多くなることや、前述の消費者ニーズ変化への対応により、設備更新を検討する必要が出てくることが多い。

稼働開始から20年程度が経過すると、原因がすぐに特定できないトラブルへの対応や長期間の稼働率低下を防ぐための予備品の確保が難しくなり保守費用も嵩むことになる。

このような問題が多発してきた場合は、部分更新ではなく全面改修を検討することになる。全面改修の先進的な事例は後ほど紹介する。

これらの更新サイクルは導入した設備の種類や稼働時間、使用環境により多少の違いがあるが基本的な流れは変わらない。

この更新サイクルを適正に見極め、可能な限り延長するためには、継続的なPM(Preventive Maintenance=予防保守)を実施することが求められる。
(注記)故障してから直すことをBM(BreakdownMaintenance=事後保全)という。

 

5.継続的な保守業務の重要性

・・・第3回へつづく(11月21日にUP予定)



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